「もう、そんなに謝んないで下さいよ……」
「もっと謝らせていいよ。」
無表情で言う熊切先輩に、私はただ笑うしか出来ない。
「このシュークリーム、また智のファンの女の子からだと思ってさー」
そう言って東雲先輩は、テーブルに置いてある空のケーキの箱をみた。
そう、結局は熊切先輩にあげたシュークリームを東雲先輩が勝手に持って行った。…と、いう事らしい。
それをただ、東雲先輩は“智から貰ったー”と言っていたらしい。
「でもさ、智と一緒に帰ろうと思ってここに来たんだけどさ、ビックリしたなー」
そう言って、東雲先輩は私と熊切先輩を交互にみてニヤニヤとしている。