そう言って私は、クリームのついた手を洗おうと席を立った。
「どこ行くの??」
「あ、手を洗いに…」
私がそう言うと、先輩がいきなりクリームのついた私の手を握ってきた。
「せ…先輩…??」
「………。」
先輩は黙ったまま、その手についたクリームを舐めた。
「せんぱっ――!?」
「もったいないから…」
いや、いくら甘いものが好きでもそれは……
自分で自分の心臓の音が聞こえるほど、ドキドキが止まらない。
「もったいないって…だからそういうのは好きな人にやるって…」
「前に聞いた。」
「前にいいました。」
そして何故か、そこから一時沈黙の時間が続き……
「好きな人に…してください。」
「なら、問題ない。」



