【完】先輩と保健室で




そう言って私は、クリームのついた手を洗おうと席を立った。


「どこ行くの??」


「あ、手を洗いに…」


私がそう言うと、先輩がいきなりクリームのついた私の手を握ってきた。


「せ…先輩…??」


「………。」


先輩は黙ったまま、その手についたクリームを舐めた。


「せんぱっ――!?」


「もったいないから…」


いや、いくら甘いものが好きでもそれは……


自分で自分の心臓の音が聞こえるほど、ドキドキが止まらない。


「もったいないって…だからそういうのは好きな人にやるって…」


「前に聞いた。」


「前にいいました。」


そして何故か、そこから一時沈黙の時間が続き……


「好きな人に…してください。」


「なら、問題ない。」