【完】先輩と保健室で




そう言った東雲先輩を、ギッと熊切先輩は睨みつける。


「輝、離せ。」


「お前がちゃんと向き合うまで、絶対に離さねえ。」


それから一時の間があり、先に口を開いたのは東雲先輩だった。


「逃げるなよ。」


「……は??」


熊切先輩の眉間に、グッとシワが寄った。


「逃げる…?」


「逃げたじゃねえかよ、さっき俺たちから…」


東雲先輩はそう言うと、冷ややかな目を熊切先輩に送る。


「自分に…素直になったらどうだ??」