そう言った東雲先輩を、ギッと熊切先輩は睨みつける。 「輝、離せ。」 「お前がちゃんと向き合うまで、絶対に離さねえ。」 それから一時の間があり、先に口を開いたのは東雲先輩だった。 「逃げるなよ。」 「……は??」 熊切先輩の眉間に、グッとシワが寄った。 「逃げる…?」 「逃げたじゃねえかよ、さっき俺たちから…」 東雲先輩はそう言うと、冷ややかな目を熊切先輩に送る。 「自分に…素直になったらどうだ??」