【完】先輩と保健室で




「あ……」


私の口の中に、しょっぱい物が入ってきた。

私…泣いてたの?


「先輩…っ」


「鮎川―――」


先輩は何かを言おうとしたが、それは雑音に遮られた。


「え……?」


『只今より、本内の“海中トンネル”を開演したいと思います。』


海中トンネルって…ここのことだよね??


「………」


先輩は放送を聞き終わると、私の手首を放してくれた。

少し、赤くなっている…。


「あ、先輩……」


「……行こう。」