先輩はまた、私の手をグッと引っ張って人混みの中を走っていく。
そのまま“立ち入り禁止”と書いてある所に、先輩と私は入っていった。
「え、先輩…ここ立ち入り禁止って書いてありますけど??」
「大丈夫。ここは時間がくれば入ってもいい場所だから…」
「時間が来るまで、二人でいよう。」と、先輩は私の手を握ったまま言った。
胸の中が、凄く温かくなる…。
あれ…でも、何で熊切先輩がそんな事を知ってるんだろ??
「熊切先輩、ここに来たことがあるんですか?」
「…昔…姉とよく…」
「熊切先輩お姉さんがいるんですか??」
私がそう言うと、熊切先輩は口を閉ざしてしまった。
なにか、聞いちゃいけないことだったのかなあ??
そんな事を考えながら歩いていると……
「…――わっ!!」
中に入ると、そこは海中トンネルになっていた…。
凄い……



