「いえ、ちゃんと期限まで働かせて貰います。」 「そっか…」 東雲先輩はそう言ったら、私たちに背を向けて歩き出した。 「東雲先輩?」 「智もいんだし、俺が家まで送る必要ないでしょ。」 決してこっちを見ずに、東雲先輩は片手を上げて手を振った。 「………。」 「あのー…」 いきなり二人にさせられて、何を話せと言うのだろうか…。 「ケーキ…」 「はい??」 「明日は…ケーキ一緒に食べようね…。」 そう言ってフワリと笑う熊切先輩を見て、胸がギュウッと締め付けられるように痛くなる。 い…痛い…。