「いらっしゃいませー」と言う東雲先輩の声が、このお店に響き渡る。 まだお客さんは少ない時間帯だからか、私と東雲先輩しかホールにはいない。 中では、東雲先輩のお母さんとお父さんがせっせと料理を作っている。 また店の扉が開いて、私は東雲先輩の後に続いて「いらっしゃいませ!」と言った。 「意外と声出てるね、小春ちゃん!!」 「あ、東雲先輩」 いきなり東雲先輩が、私の背中を叩いて喋りかけて来た。