「あー、気にしなくていいよ!!」


「いや、でも…」


私があたふたしていると、「もうー!」と言って東雲先輩がグイッと顔を近づけてきた。


「え、せんぱっ…」


「ホント、何で智のためにそこまでするか分からないよ。」


「だって、私がカメラを…」


「いくらカメラを壊しちゃったからって、毎日ケーキを貢いで、しかも、カメラを買うためにバイトなんてしないよ普通。」


東雲先輩は呆れたように、腰に手を当てて言った。


「で、でもですね…」


「あーもう、分かった!!」


東雲先輩はいきなり大声を出して、鞄から携帯を取り出した。