「せ…先輩っ!?」 「何で…泣いてるの?」 熊切先輩の低い大人っぽい声が、すぐ近くで聞こえる。 それだけで、頭の中が沸騰しそうなぐらい熱くなる。 「何で…でしょうか?」 「分かんないの?」 熊切先輩は私の背中に腕を回しながら、首を少し傾けた。 熊切先輩の茶色の柔らかい髪が首筋にあたって、少しこしょばい…。 「寂し…かったんだと思います。保健室に来たら…誰もいなかったから。」 私がそう言った時には、何故か涙はもう引いていた…。