【完】先輩と保健室で




誰かが東雲先輩の名前を呼んで、その瞬間、東雲先輩の体が私から離れた。


「さ、智……」


「こんな所で…二人で何してんの??」


「熊切先輩…」


熊切先輩の顔は、いつもより険しい顔になっている。


「あのね、話すと長くなるんだけど……」


「鮎川に…何で抱きついてるの??」


そう言って、首を少し傾げて東雲先輩を睨みつける。


「ま、マジで怒るなって…」


「だから、何してたんだって聞いてるだろ??」


本当に熊切先輩?と思うほど、口調が異様に厳しい…。


「あの、熊切先輩!」