誰かが東雲先輩の名前を呼んで、その瞬間、東雲先輩の体が私から離れた。 「さ、智……」 「こんな所で…二人で何してんの??」 「熊切先輩…」 熊切先輩の顔は、いつもより険しい顔になっている。 「あのね、話すと長くなるんだけど……」 「鮎川に…何で抱きついてるの??」 そう言って、首を少し傾げて東雲先輩を睨みつける。 「ま、マジで怒るなって…」 「だから、何してたんだって聞いてるだろ??」 本当に熊切先輩?と思うほど、口調が異様に厳しい…。 「あの、熊切先輩!」