「ちょ、やめてよ!!」


「ったく…」


勇悟は呆れた顔をして、ため息をつく…。


「ま、無理に聞きはしねーけどさ…何かあったら俺に言えよ??」


勇悟は優しい笑顔を見せて、私の頭を軽く撫でた。


「ん、分かった…」


私、勇悟が側にいてくれて良かったな……。


そのまま私は、勇悟がグシャグシャにした髪を丁寧に戻す。


「ねえねえ、私さっき熊切先輩に話しかけられちゃった!!」


え…熊切先輩?


教室の中で大声で話している女の子の声に、耳を傾ける。


「あ、私も話しかけられたよ!」


キャーキャーと、今日は一段と女の子たちの声が教室に響く。


「………。」


私の気持ちが、どんどん沈んでいくのが分かる…。


熊切先輩……