「失礼しまーす…」


少し重い気持ちで、私は保健室の扉を開けた。


「先輩、いないな…」


ため息混じりにそう言って、私は真ん中にある椅子に座る。

昨日から勇悟は一言も口をきいてくれないし……


「はあ…」


「あら、ため息なんてついたら幸せが逃げちゃうわよ?」


いきなりそう言って肩を叩かれたので、体がビクリと一瞬跳ねた。


「あら、驚かせちゃった?」


「あ、先生!!」