「バカって、そりゃ私はバカだけど……」 「いや、そういう事じゃなくてよー…」 呆れた顔をしながら、私に顔を近づけてくる。 「ゆ、勇悟…顔近いよ」 「―――っ…」 勇悟は何故か、そのまま私をギュッと抱きしめた。 「えっ、えっ!?」 「無防備すぎなんだよ…」 勇悟が喋るたびに息が耳に当たって、背筋がゾクッとする。 「ゆ…う…」 「小春……」 勇悟は私の首に、自分の顔をうずくませる。 「どうしたの…?」