私たち以外誰もいない廊下で、私は勇悟の手を振り払った。 勇悟の顔や体は、夕日のオレンジ色に染まっている。 「どうしたの…?」 「小春……」 勇悟が寂しそうな目で、私を見つめている。 なんで、そんな目をするの…?? 「勇悟…??」 「なあ…お前ってさ、好きな奴いんのか??」