「気になるから…。」


先輩はそう言ってから、視線を横に移した。


“気になるから”


その言葉を、勝手に私の良いように頭で書き換える。


ドキドキが止まらなくて、こんな気持ちは初めてで……


何が何だか自分でも分からなくなって……


「先輩、ケーキ食べましょうか。」


春の風が保健室に入ってきて、微かに先輩と私の髪を揺らした―――…。