そう言って、東雲先輩はさらに私に顔を……
「し、東雲先輩!!」
お互いの息があたって、今にも唇同士がくっつきそうなぐらいだ…
もう…無理っ!!
「何やってんの?」
「へ……?」
その声が聞こえた瞬間、東雲先輩の体がビクリと震えた。
私と同時に、その声がした方を向く……。
「さ、智……」
「輝、何やってんの?」
先輩はいつも通りの顔で、首を傾げて東雲先輩を見ている。
「いや、あの…これには深い深い訳があってだな……」
「深い訳…ねえ…」
「本当にすいませんでしたー!!」と叫びながら、東雲先輩は帰ってしまった。



