【完】先輩と保健室で




そう言って、東雲先輩はさらに私に顔を……


「し、東雲先輩!!」


お互いの息があたって、今にも唇同士がくっつきそうなぐらいだ…


もう…無理っ!!


「何やってんの?」


「へ……?」


その声が聞こえた瞬間、東雲先輩の体がビクリと震えた。


私と同時に、その声がした方を向く……。


「さ、智……」


「輝、何やってんの?」


先輩はいつも通りの顔で、首を傾げて東雲先輩を見ている。


「いや、あの…これには深い深い訳があってだな……」


「深い訳…ねえ…」


「本当にすいませんでしたー!!」と叫びながら、東雲先輩は帰ってしまった。