勇悟の方を見ると、眉間にシワを寄せて私に徐々に近づいてくる。 「ゆう…ご…?」 「………。」 勇悟は黙ったまま私に近づいてきて、私は逆に後ずさりをする。 なんか、いつもの勇悟じゃない… 「勇悟……?」 「そんな顔すんなよ…」 私の後ろにはもうコンクリートの壁があり、動けない。 そんな私の頬に、勇悟は撫でるように手をそえた。 そして、私の唇を優しく、ガラスを扱っているように丁寧に触れていく。 「ゆうっ――!?」