「え……」


先輩の声がすぐ近くで聞こえたかと思うと、先輩が間近で私の顔色を伺っている。


その瞬間、またさっきの先輩との出来事が思い返される。


「いや、あの…」


「………?」


顔を真っ赤にさせて慌てている私を、首を傾げて不思議そうな目で見ている先輩。


だから、顔が近い!!


「…そう言えば、雨やんだね。」


「え……?」


窓の外を見ている先輩につられて、私も窓の外を見る。


雨はやみ、綺麗な星が雲の隙間からのぞいている。


「俺…帰るね。」


「あ、はい……」