「あの…っ」


何が…あったの??

いやな汗が額から滲み、何が何だか分からなくなる。


「先輩は、覚えてないんですか…??」


「んー…」


先輩は考える様子を見せて、目線を上に移して首を傾げる。

…覚えてないな。


「鮎川は、覚えてないの??」


「え……?」


覚えてることと言えば…

お皿を洗い終わって、リビングに戻ったら先輩が寝てて…

そのまま……


「―――っ…」


自分の顔が、みるみる赤くなっていくのが分かる。

私、先輩に抱き寄せられて膝の上に乗せられて―――…


「なんか思い出した?」