「泣きそう……?」


私がそう聞くと、先輩は「うん。」とコクリと頷いた。


「そんなわけ…ないじゃないですか!!」


私は笑ってその場をごまかして、頬に添えてある先輩の手をさり気なく離して、私は歩き出した。


「あ、そう言えば東雲先輩とは仲がいいんですか??」


とっさに話しを変えようとして、ついこんな事を聞いてしまった。


「輝……?」


先輩はそう呟いて、ピタリとその場に立ち止まった。


「…先輩…?」


あれ、何か私…非常にまずい事を聞いてしまっただろうか??


「あの、先輩…??」


「輝が…俺に話しかけて来たんだ。」