「んん…」 今は春。 私、鮎川 小春(アユカワ コハル)にとって、保健室の薬品のほどよい匂いと、ふかふかのベッドだけで眠気を誘うのは十分だ。 「…ん……」 私は思わず、横にある“何か”にギュウッとしがみついた。 ……何か?? 「え…??」 私はいま保健室のベッドなわけで、横にしがみつける“何か”なんてあるわけない。 そう思って、私はうっすらと目を開けた…。