恋せよ乙女


「いや、とりあえず落ち着け、紫音。
聞きたいことって何だ?それよりまず、何があった?」

「いやいやいや、もう十分落ち着いてますから。むしろあんたが落ち着きなさい。」


周りから聞こえる、クラスメートたちの笑い声。こんな会話交わしてる暇ないっつーのに、あたしは何をやってるんだろう。


「……ごめん、隼人。詳しくはあとで話す。だから今はとりあえず、何も問わずに、氷室さんの家の場所教えて。」

「はぁ?氷室の家の場所…って、はぁ?!」


何、この子…。今、“はぁ?”って二回言ったんだけど。


「何、お前。あの日氷室と何かあったのか?まさか今日、ついに自宅に押し掛け…」

「おだまり。聞かれたことにだけ答えなさい。」

「ぐふっ…!」


余計な言葉を連発する隼人に、強烈な右ストレートを食らわすと、ヤツは渋々ルーズリーフに家の場所を記す簡易地図を書いてくれた。