あの日から2日間寝込み、ようやくあたしは復活、今日は待ち望んだ登校日。

今まで2日間も氷室さんに会わない日なんて、平日にはほとんど無くて。
久しぶりに会える今日、学校に行けることは素晴らしいと、何度思ったことだろう。

まだ普通の生徒が登校するには少し早い時間、静かな廊下を1人進む。
自然と零れる鼻歌なんかを歌いながら、“生徒会室”と掲げられた見慣れたドアをノックし、勝手に開ける。

だって、彼の返事がないのはいつものこと。
それに、ドアを開ければいつも通りの彼の姿があるはずだから。
早く、氷室さんに会いたいの。

―――でも…。


「おっはよーございます。
おかげさまで全快で、す…?」


開けた瞬間気づいてしまった、というか、気づかないわけがない“異変”…


「氷室、さん…?」


氷 室 さ ん が い な い 。