それでもなかなか状況を理解できないあたしは、そのままの体勢で氷室さんの顔を見上げる。

だってだって。

そのまま寝かせておくわけにもいかないのはわかる。

だからって何で、氷室さんがあたしの部屋にいるの?


「何?」

「え、いや、あの…
何で氷室さんがあたしの部屋に…」


あたしの問いをすべて聞くことなく、氷室さんはわざとらしく大きなため息を零した。


「キミのご両親が留守で、加藤隼人に連絡したら何故か僕が看病する羽目になってね。全く、いい迷惑だよ。」


留守、ね…
今日出かけるなんて、一言も言ってなかったのに。まぁ、朝お母さんに連絡しなかったあたしが悪いのか。

あー、でもなんか、かなり氷室さんに申し訳ない。確かにいい迷惑だ。