「うん、風邪だねー。熱も少しあるみたいだし、今日は家に帰ってゆっくり休むように。」

「え、あ……はい。」


朝の病院、医者から発された言葉に、ガックリと肩が落ちる。
うん、でもまぁ…。自業自得か。

氷室さんに、またあんな風に笑ってほしくて、前にプレゼントした氷室さん人形第二号を作ろうと思い立ったまではよかったのに。

無駄に張り切りすぎて、薄着で夜更かししたのが悪かった。おまけに、窓開けっぱなしでそのまま寝てしまうなんて。

案の定、見事に風邪をひいて具合の悪い朝に加え、頑張ったわりに出来の悪い第二号の姿を見て気分は最悪。

大丈夫ではないけれど、とりあえず意地を張って「大丈夫。」と言い張ったあたしに、お母さんは「絶対病院に行きなさい。」とかしつこいもんだから、しかたなく病院に寄ってはみたんだけれど。


「お大事にー。」


いただいた薬をカバンに詰め込みながら、ゆっくりと病院を出た。