「…お前なぁ、俺が怪我したらどうしてくれんの。」

「どうもしないわよ。…っていうか隼人、世奈と一緒じゃないの?」

「ん、あぁ。だって世奈、まだお前と帰るって言うし。それに俺も今日は部活あるし。」


そういえば陸上部、大会近いんだったっけ。隼人の部活になんて興味ないから、すっかり忘れてた。


「なら、くれぐれもハイジャンプだけ成績残せていない、とか何とか言われないように、精々頑張りなさい。」

「余計なお世話だっつの。……あ、お前は気をつけて帰れよ、世奈と。」


そう言って振り向かないまま、ひらひらと手を振りながら駆けていく隼人の背中を見つめる。

気をつけて帰れよ、だなんて、変な隼人。
階段から落ちたせいで、隼人からこんな風に心配される自分が情けない。

余計なお世話なのはどっちだ、と心の中で悪態をつき、小さく苦笑した。