「……うっわー。何、告白?
ごめんね隼人、あたしには氷室さんが…」


そういう意味で言われたわけじゃないのはわかってる。わかってるけれど。

申し訳なさそうにそう言えば、心底呆れたような隼人の表情が目に映る。


「バーカ。違うから。
お前なんて恋愛対象外だから。」

「ひっどー。コレだから彼女にフられるのよ。」

「いや、ひどくねぇし。
それにまだ、フられてねぇし。」


ふん。
今なんてもう、フられるかどうかの瀬戸際なくせに。

コントのようなやりとりを交わすあたしたちを見て、すれ違う人たちはクスクスと控えめに笑う。

あぁ。そういえばあたし、ここが廊下のど真ん中だったってこと、ハッキリ言って忘れてた。