重たい瞼を擦りゆっくりと目を開ければ、いつの間にか朝を迎えていた。目を刺激するウザいほどの光の刺激に、思わず眉根を寄せる。

―――ああ、ダルい。

昨夜また泣きすぎたせいか心なしか目は腫れているし、意識は覚醒しないし。

ゆっくりと体を起こしてもハッキリしない視界に、強く目頭を押さえた。

……昨日、家に帰ってきてからのことはあまりよく覚えていない。
ただぼんやりと覚えているのは、鳴り響く携帯をひたすら無視していたことだけ。

案の定、床の上に投げ出していた携帯は規則的に点滅し、あたしに着信があることを教える。

ダル過ぎる体に鞭打ってそれを拾い確認すれば、着信履歴には同じ人の名前がずらりと並んでいた。


「……氷室、さん…。」