申し訳なさそうに、あたしに向けられる視線。一体どうしたのかと首を傾げれば、


「……昨日の、ことよ。」


そう、小さくつぶやかれた。
でも、だけど。


「何で、世奈が謝るの?」


昨日の件に、世奈は無関係。
謝る必要など、皆無なのに。


「だって、ほら……。あたしが昨日、紫音についていってあげていれば、あんなことにはならなかった。担任から仕事なんか引き受けずに、紫音が戻って来ないことに早く気づけていれば、もっと早く見つけてあげれた。」


確かに、そうかもしれない。
けれど、そうじゃないかもしれない。

だって昨日、鈴木さんとは玄関でたまたま鉢合わせて。あたしが自ら、行き先を言って。

なるべくしてなったことに、きっと変わりは無いから。世奈が自分を責める必要はない。