通い慣れた廊下を進んだ先、目の前に立ち塞がる見慣れたドア。 ドアにかけられている札には、間違いなく“生徒会室”の4文字。

いつも通りそのドアを軽くノックし、中からの返事を待つことなく控えめにドアを開ける。

するとそこには、これまたいつも通りに呆れた目であたしを見据える無表情なマイダーリン、氷室恭弥がいた。


「……入っていいよ、なんて、一言も言ってないけど?」


目があったまま無言で室内に踏み込むあたしに、氷室さんは表情を変えることなくそう問いかける。

けれど。


「ふっふふー。氷室さん、今日のは大成功です。」


そんなのはいつものこと。
発された言葉を無視して勝手に話を進めるあたしに、氷室さんは盛大なため息をついた。