長いようで短い昼休み。
暇を持て余し、なんとなーくうろついていた廊下で、前方に見慣れた後ろ姿を発見。

このあたしが、彼を見間違えるはずなんてない。
あの背格好、歩き方……、どう考えてもあれは氷室さんだ。

そう確信するとともに、急に晴れ晴れとする気持ち。

廊下には人がいっぱいいる、とか、氷室さんの周りにはおなじみの生徒会メンバーがいる、とか、あたしにはもはやそんなのどうでもよくて。


「ひーむーろーさーん!」

「っ…!!」


後ろから抱きつくという名の、アタックを食らわせた。


「今日も大っ好きです!」


そしていつも通りにそう言えば、周囲から聞こえる笑い声。加えて、あたしを見下ろす氷室さんの怖い顔。