「……隼人、何であんたがこのクラスにいるの。あんたのクラスはここじゃないでしょ。偵察…って訳でもなさそうだし。ってか、作業の邪魔。だからさっさと出ていって。」


あたしを見てヘラヘラ笑う隼人を軽く肘で小突き、キツメにそう言ってはみるけれど。


「うっわ、つめてーヤツ。俺はただ、いとこの恋愛模様が気になってるだけなのに。」


隼人がそう素直に単純に、あたしの言うことを聞いてくれるとは思ってはいない。
案の定、隼人はふて腐れたような顔をして、あたしの斜め前の席である世奈の隣に腰を下ろした。

迫力のある、隼人の双眼があたしを射抜く。
漂う気まずさに耐えられなくなり、先に口を開いたのはやっぱりあたしの方だった。