晴れ渡る空、清々しい朝…。
それなのに何故か、あたしの隣を歩くのは隼人で。


「ねー、何で隼人今日早いの?」

「あー?そりゃ部活の朝練あっからだろ。ってか俺、いつもこの時間だぜ?今日はたまたま、紫音と家出るタイミングがかぶっただけだから。」


別に、隼人と登校するのがイヤなわけではない。否、久しぶりに一緒に登校するわけだし、たまにはこういうのもいいのだけれど。


「それに俺、昨日の話、紫音から全然聞いてねーし。」


その話を、何度も隼人にするのがめんどくさいんだよ。何か変な勘違いしてるみたいだし。

ってか、それを改めて詳しく聞くために、わざわざあたしに時間を合わせたとしか考えられないんだけど。


「だからー、隼人のせいで風邪引いた氷室さんが心配だっただけだって。何回言わせるの?馬鹿なの?」


仕方なく、渋々それだけ答えてあげれば、立ち止まった隼人の眉間に、数本シワが寄せられた。