手、繋ご? そう言ったあたしに、さらに目を開いて見るその子。 パチパチと瞬きを繰り返す。 今さら引き戻せなくて、あたしからその子の手を握る。 ギュッと。 小さくて柔らかい手。 行こっか? そう言おうとしたその瞬間、その子はハニかんで、眩しいぐらいの笑顔になった。 胸がときめく。 こんな感情も久しぶりだと、何だかあたしもつられて顔が綻んでいく。 これがその子の初めての表情だった――……。