僕の言葉に君は少し、困った様な表情を見せた。


ちょっとかわいい。
かわいいけど。



命の約束はできない。





「だってあなた、料理できないじゃない」


…………は?



「洗濯物も溜めるし、掃除も私がやらない限りやらないから、散らかし放題じゃない」



そりゃ そうだけど…。

けれど一人暮らしの男なんて、みんなそうじゃないかな?


言い訳かもしれないけれど…。




いやでも、それが君より先に昇天する理由にはならない。




「私、見たくないの」


瞳を伏せて、二度目の溜め息を吐き出した君。



「私が料理しないと、あなたはコンビニばかり利用するし」


確かに。


「洗濯もそう。靴下なんか、すぐに洗わないから汚れ落ちなくて、ほとんど使い捨てじゃない」


…ごもっとも。


「掃除もちゃんとしないと、ゴキブリが出る様になるから」


実は昨日、奇襲されました。



「だから先に逝ってって言うの」


……だらしないから死ね、と言う意味?




君は三度目の溜め息。


見つめる僕の視線から、わずかに顔を背ける君。





………あれ?


君の顔が赤い?

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