「ねぇ」

「何?」

「僕の寿命が、一年縮んだとしたらどうする?」

「一年、伸ばす努力をすればいいじゃない。私が栄養管理するわよ」

「そうか」





君の作る料理は、どれも美味しいしな。





「ねぇ」

「何?」

「新しいパソコンなんだけどさ…」

「うん」

「諦めるよ」

「え?あんなに欲しがってたじゃない」

「うん、何かいいや。今のが使えない訳じゃないし。ゴルフバッグも諦めてもいいや」




君はまるで、信じられないと言いたげな表情で、口をポカンと開けている。


桃太郎が日本語を話したとしたら、君はきっと、今と同じ顔をするのかもしれない。





「変なの…突然」

「うん、変だよね。でも、いいんだ」







いいんだ。


自分でも笑ってしまうくらいに、どうでも良くなっちゃったんだ。





その代わり、一つ決めた事。




ボーナスが出たら、君に似合うイヤリングを、一緒に買いに行くんだ。





君の耳たぶに似合う、白い肌に似合うイヤリングをね。



君はまた、さっきみたいに驚くかな?


そんな君を見るのも楽しみだ。






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