「じゃ行ってくるね。」
「ん。」
「ちゃんと朝ご飯食べてよ?」
「ん。」
「あと出掛けるんだったらちゃんと鍵かけてってよ。
ママ居ないんだから…。」
「あいあい。
いいからさっさと行きなさいよ。」
玄関先、あたしと姉とのやり取り。
お姉ちゃんは大学生のくせしてだらしがない。
注意して治るものではないけれど、それくらい今、ママの居ない家に不安を抱いているのは確かだった。
「ん?
アンタの後ろにいんのって誰?
あ、彼氏ね。」
「は?」
後ろを振り向けばいつから居たのか、ユウくんの姿。
「あっ!
ごめん!!
っででも何であたしん家に…?」
「たまたま。
通りかかったら見つけたから。」
「へぇー…」
あまりの出来事にポカーンと口を開けるあたし。
「ったく朝っぱらからイチャついてんじゃねーっつの。」
頭をガシガシとかきながらお姉ちゃんが言った。
「イチャついてないっての。
行ってきます。」
「ん、しっかり勉強してこいよー。
なんてな。」
お姉ちゃんは自分の言った事にツボったらしく、後ろでゲラゲラ笑っていた。
全く…
こんな状況で幸せな人だ…。



