短い針は丁度7を指していてあれから一時間ちゃんと眠ったようだ。
俺としてはまだ寝たりないような気がするが、美空を起こさないと。
「美空」
俺は、腕の中にいる美空の肩を軽く揺すった。二、三度繰り返すと、ん、と身動ぎをして美空が目を覚ます。
「ん……龍さ……」
「時間だ」
「んんー」
まるで猫のように、伸びをする美空。美空が伸びをしやすいように解放してやり俺は起き上がった。
「二度寝しちゃった」
「そうだな」
「二度寝なんて初めてだったよ」
美空は、上半身を起こし、欠伸をひとつする。
丁度、部屋の外の廊下から足音が聞こえてきて、部屋の前で止まる。


