「わっ」
美空は、吃驚しながら俺に抱きつく。
温かい美空の体温が心地よくて眠りを誘ってくる。
「龍さん?」
「ん……?」
「寝る、の?」
小さな声で控えめに聞いてくる美空に、俺は頷く代わりに美空の額にキスを落とした。
「っ」
「おやすみ」
瞼がだんだんと閉じていく。意識も眠りの海に浸ろうとしていた。五感が閉じていく。
「…………ね。」
だから、美空が何かを言ったのを俺は聞き取ることが出来なかった。
次に目を覚ますと、腕の中の美空も一緒に寝てしまっていたようだ。
腕の中に美空がいることに頬を緩ませると、俺は時計を見た。


