傷つけるつもりはなかった。
ただ、俺は、
「すまない………っ」
ぐいっと腕を引き寄せる。まさか引き寄せられるとは思っていなかったのか美空の体は傾き、倒れてくる。
それをちゃんと受け止めて俺は美空の肩口に顔を埋めた。
「龍……さん……?」
「俺は、ただ一緒にいたいだけだ」
「っ」
「仕事であまり一緒にいられないから、せめて寝るときだけでも一緒にいたかったんだ」
だから、すまない、と俺は何回も謝罪を口にした。
美空が離れていくなんて、考えたくない。嫌わないでくれ。
そう込めて美空を抱き締めてた。
「………龍さん」
おずおずと美空の腕が俺の背中に回った。
「あたし、勘違いしてたみたい」
「?」
「あたしは、龍さんのためだと思ったのに………違ったよ」
ごめんなさい、と謝る。


