「お前ら」 「はい」 「美空に近づく野郎は、排除しろ」 「了解しました」 二人は頭を下げて部屋を出ていく。 「とりあえず、この話は解決しましたね?」 「あ?」 笑みを含むその声に、炯の方を見ると満面の笑みを浮かべながら俺に書類を突きつけた。 「仕事です」 「………」 「美空さんの事が気になって全く進んでなかったですから」 さっさと仕事してください。 ………鬼だな、こいつ。 仕事熱心な部下がいるのも困りものだと俺は書類を受け取りながら、思ったのだった。