「それより、龍さんお腹空いてない?」 俺を見上げながら美空が聞いてくる。 「そうだな……」 確かに夕方だし、腹は空いてきた。 仕事もしてきたし尚更だ。 「ご飯にする?」 「ああ」 頷くと、美空はぱあぁっと輝かせ、俺の手を解いて離れた。 なぜ、離れると抗議しようとしたが、その前に美空が口を開いた。 「じゃあ、先に行ってて」 「美空は」 「私は準備」 語尾に音符の記号がつくくらいに楽しそうに美空はスキップしながら行ってしまった。 残された俺は、左斜めに控えていた賢を呼ぶ。