俺は美空の頭を撫でながら言う。
美空はくすぐったそうに目を瞑った。
「気持ちい……」
「そうか」
「てか、体があちこち痛い……」
そりゃあ打撲痛だ。
「しばらくは痛むだろう」
あれだけ、痛みつけられたら、な。
あの時もっと早く行けていたらこんなに怪我をしなくてすんだんじゃないかと思ったら胸が痛む。
「………すまない」
「?」
きょとんと美空は首を傾ける。
「もっと早く行けていたら」
「………あの人達、龍さんが追い払ってくれたの?」
「………」
無言で頷く。
すると、美空は、フワッと笑みを浮かべた。


