愛の楔




美空を連れてきてから数日。山じぃの言ったとおり熱を出した美空は、苦しそうに寝ていた。


四六時中一緒にはいられなかったので、時間があるときは常に美空の側にいるようにした。


「………やっと、下がったか…」


顔の赤さも薄まり、規則正しい呼吸を繰り返す美空に俺はホッとする。


「ん………」


すると、美空は軽く身じろぎをしたあと、ゆっくりと目を覚ました。


「美空」

「ん………あれ、龍、さん……?」


パチパチと瞬きを繰り返しながら、美空は不思議そうに首を傾ける。


「気分はどうだ」

「大丈夫………なんで、」

「熱、出たから」