愛の楔




美空は、泣いていた。


「………俺は、お前を傷付けたんだ」

「あたしもでしょ?……お互い、様だよ……?」

「っ―――美空、」


俺は、小さなその体を抱き締めた。
全身にやっと温かい血が流れ始めた。


「龍さ、っ」

「すまない。すまなかった……」


謝ると腕の中の美空は、首をふった。
大丈夫、悪くない。誰も、何も………


きつく、きつく抱き締めた。


「龍さん………っ」


美空もきつく抱き締め返してくれた。


あぁ、俺は。
この温もりをどうして手放せると思ったのだろうか。


馬鹿だった。


「――――愛してる」

「あたしも、」


愛してる―――。


例え表面では幾ら言い繕っても、心には嘘はつけない。


絶対に。