澪とのやりとりを見ていると、何だか兄弟みたいだ。


「―――龍さん?」


美空に名前を呼ばれハッと下に目を向けると不思議そうに美空が見上げてきていた。


「どうした?」

「それはこっちの台詞だよ?ボーッとしちゃって」


体調悪いの?と心配してくれる美空に何でもないと返した。どうやら無意識にぼんやりしていたらしい。


「若は、仕事で疲れて眠いんだよ」

「澪……」

「そうなの?だったらあたしなんか迎えに来ないで寝ていればよかったのに……」


しゅんっと表情を翳らす美空。


この……バカ澪。


自分の失態に澪も気づいたのか口元を押さえている。
俺は、澪の後ろに回ると無防備なその頭を強か殴った。


「いっ」

「余計なことを言うな」


ギロッと睨み、俺は意気消沈している美空に近づいた。