愛の楔




「おはようございます。若、お嬢」

「おはようございます」


二人は俺と美空に頭を下げると美空もおはようございます、と返した。


「二人が、和也と優斗です」

「美空です………カッコイイ方が和也さんで、可愛い方が優斗さん?」

「は?」

「へ?」


美空に言われた二人はきょとんとする。
今、聞き捨てならない言葉を聞いたような。


「美空、今なんて……?」

「うん?ていうか、ここの皆は顔がいいひとばかりだね?」


モデル事務所にいるみたいだよ。
もしくはホストクラブ?


「そうですか?皆が皆、そうとは思いませんが」


厳つい恐い奴等もいるじゃないですか。
固まる俺達に炯だけは、衝撃を受けなかったようで淡々と答えている。


「そうかな?皆、いい人だよ」


にっこりと美空は笑う。