陽だまりの午後 ~れおん・マロン・ポン太 ある1日のお話~

―――カタンッ。

突然、何かと何かのぶつかる音がした。

『・・・あらあら、失敗』

見ると、いくつかの本や薄っぺらい紙が散らばっていた。

微笑みながら拾い上げようとするおばあさんが、ふとその手を止めた。

『?どうしたの?』

ボクは不思議に思った。

微笑まなくなったおばあさんを見たのは、初めてだった。

小さな四角いものを見ながら、ふと呟く。

「・・・こんなところに―――。懐かしいねぇ・・・」

『それは何?』

「この写真を探していた頃もあったんだよねぇ・・・。もう何年前のものなのか忘れちゃったよ」

それは、写真といわれるものらしかった。

不思議と、おばあさんが寂しげに微笑んでいる。