陽だまりの午後 ~れおん・マロン・ポン太 ある1日のお話~

「アリ達にも、役割があってね。ああやって、自分たちの食べ物を運んでるんだよ。道に迷わないように、行列を作っているんだから、れおんもその行列を乱しちゃいけないよ」

ボクの頭を優しく撫でながら、おばあさんはボクに諭した。

『ああ、それがわかればもうしないよ。』

『アリという生き物なのね』

マリネは、眠そうにその行列を眺めていた。

「そうそう。おやつあげなきゃね」

そう言って、おばあさんはボクを抱き抱えて、板張りの床に座らせた。

『キャットフードというものだろ、おばあさん。』

ボクは得意げに問い返した。

「どこにあったかしらねぇ………。おじいさんがいた頃は、よく見つけてくれていたんだけどねぇ………」