―――・・・ふぁ~あ。眠い・・・。

―――カタン。

いつもの新聞が届けられる音が聞こえてきた。

―――もう朝か・・・。

―――ピピ。ピピピ。

小鳥の鳴き声で、よりいっそう覚醒に近づいた感じがする。

―――眠れないで何してんだろ、オレ・・・。

嘆きにも似たそんなオレの思いとは裏腹に、ご主人の佑衣はまだまだ深い眠りの底にいる。

最近、ほとんどよく眠れていない。

佑衣の帰りはいつも遅くて、深夜0時を回った頃にようやく帰ってくる。

『ただいまー、ポン太。眠くないの?』

―――眠くないよ、一応ね。遅かったね、今日も。

佑衣が、冷蔵庫からお水の入ったペットボトルを取り出す。

おもむろに飲み始めると、オレはボソリと呟いた。

―――・・・なんかさ、佑衣がいつも遅いから言うんだけど、たまには早く帰ってきてくれない?けっこう、オレも寂しがり屋なんだよね、わかってる?